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【取材レポ】漢方薬を知ろう

当サイトでも毎月ご紹介している、社会医療法人財団 石心会 川崎幸病院主催の健康セミナー「かわさき健康塾」を取材してまいりました。さいわい鶴見病院で7/25に開かれた、「漢方薬を知ろう」のセミナーレポートをお届けいたします!

漢方薬を知ろう

お話してくださったのは、さいわい鶴見病院の漢方外来を担当される金子明代先生です。

皆さんも、一度くらいは漢方薬を飲まれた経験があるのではないでしょうか?

漢方薬は、複数の生薬を組み合わせて作られており、よく知られている高麗人参や生姜(しょうきょう)といった植物性のもののほか、石膏(せっこう)や滑石(かっせき)などの鉱物性のもの、蝉退(ぜんたい)(蝉の殻)や牡蛎(ぼれい)(牡蛎の殻)といった動物性のものもあるそうです。複数の薬効をもつため、一般の薬と違う効き方をするのが特徴です。

ちなみに、蝉退(ぜんたい)は炎症を取る作用があるそうで、アトピー性皮膚炎の治療にも使われているのだとか。今の季節、木陰のあちこちで見かける蝉の殻に、そんな効果があるなんて驚きですね!

漢方薬を知ろう

▲セミナー会場には、植物性の生薬の一部が展示されていました。左から麻黄(まおう)、甘草(かんぞう)、芍薬(しゃくやく)、葛根(かっこん)、生姜(しょうきょう)、桂皮(けいひ)、大棗(たいそう)です! 大棗(たいそう)はナツメの実を乾燥させたもの。

最近では、パウチ包装されたエキス剤(煎じ薬を乾燥させて顆粒にしたもの)が一般的ですが、金子先生の外来では、希望すれば煎じ薬の処方も可能です。自分で煎じる一手間がありますが、細かい分量調整ができて、組み合わせも無限にできるという利点があります!

漢方薬を知ろう

▲煎じ薬は、このような煎じ器で煮出して、濾して作ります。煎じ器を使うことで、作り方による質のばらつきを防ぐことができます。

さて、漢方医の先生は、どのようなことをポイントに、漢方薬を処方していると思いますか?ふつうの内科と一体何が違うのでしょう?

まず漢方治療(東洋医学)においては、「病名にこだわらない」という大きな特徴があります。病名にこだわらず、漢方的な異常を治療することで、苦痛な症状と乱れた体調・体質を整えて、病気を改善していきます。

同じ病気を治すにしても、検査や診察で病気の原因を特定して、直接的に治療を加える西洋医学とは、アプローチ法が全く違うのですね!

漢方薬を知ろう

また、漢方治療には「証(しょう)」という独自の評価・診断法があります。その人の体質や体力、抵抗力、症状の現れ方などから、診断・評価を下します。

漢方薬を知ろう

証のひとつ「虚実」とは、病気に対する反応の強さについての評価です。反応が弱い人を虚証、反応が強い人を実証と分けています。また、「寒熱」とは、温めると改善する体質なのか、冷やすと改善する体質なのかといった、体質の評価です。温めた方が治りやすい人を寒証、冷やした方が治りやすい人を熱証と区分しています。

漢方ならではの診察に、脈診、舌診、腹診があります。

漢方薬を知ろう

▲中国では、細かく診る脈診ですが、日本の漢方医は比較的シンプルに診ていくのだそうです。急性の症状は、脈診でよく分かるとお話されていました。

漢方薬を知ろう

▲健康的な舌は、子供の舌のようなピンク色をしています。左下は、舌の真ん中部分が紫がかっているのが分かります。これは。瘀血(おけつ)といわれる状態です。真ん中の舌は、黄色い苔が舌を覆い、舌のまわりに歯型がついています。これは熱っぽい時にみられる症状です。右下の舌は、ぼてっとして、本来ある表面のザラつきが消えており、内臓が弱っている証拠です。漢方医の先生方は、舌の状態だけで、実に様々な情報を汲み取っているのですね!

漢方薬を知ろう

▲お腹全体を触診する腹診も、漢方治療では大切な診断法です。肋骨の下が固いとストレスが溜まっている証拠だそう!

さて、皆さんは「未病」という言葉を聞いたことはありませんか?

未病とは、病気ではないが、健康でもない状態のこと。自覚症状はあるが検査では問題ない場合や、逆に検査で問題あると言われたけれど、自覚症状を感じない場合などが未病に当たります。西洋医学では対処しづらいこれらの状態は、実は漢方薬の得意分野になるのです! また、関連性のないバラバラな症状がいくつもある場合や、何かのキッカケで体調を崩し、それ以来どうも調子が悪いといったケースにも、漢方薬は力を発揮します。

私が意外と感じたのは、アトピー性皮膚炎や乾癬といった皮膚疾患にも、漢方が効果的ということでした。特にお子さんのアトピーは、数ヶ月で綺麗になるケースも多いそうです。ただし、漢方単独ではなくステロイドなどとの併用が大切、とお話されていらっしゃいました。

逆に、漢方薬では治療が難しい、というものも存在します。

脂質異常症や、高尿酸血症、糖尿病、本態性高血圧などの、数値の改善を目標としたものです。また、漢方薬には副作用がないと勘違いされていらっしゃる方が多いようですが、きちんと効果がある一方、副作用もあります。

お腹がゆるくなったり、薬疹が出るケースが多いようですね。

漢方薬を知ろう

副作用が出た場合や、好転反応(体質が改善するときにでる目眩などの不快な症状)があまりにも強すぎて継続できない場合、3ヶ月飲んでも何の反応も現れなかった場合は、医師に相談することをお薦めします。

実は、冷え性で疲れやすく、風邪でもないのに寝込んでしまうことが度々ある私。以前から気になっていたのですが、健診で特にこれと指摘されることもなく、体質だと諦めていました。今回のお話を聞いて、一度漢方外来で相談してみようと思います!

もしこのレポートを読まれて、私のように漢方に興味をもたれた方、ぜひ身体と心の不調を相談してみてはいかがでしょうか?

【さいわい鶴見病院 漢方外来】
●月13時30分〜16時(初診予約)
●火13時30分〜16時
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投稿日:2017年8月15日 | カテゴリー:おすすめ情報