【取材レポ】心肺蘇生体験セミナー
1/19に開催された「かわさき健康塾 心肺蘇生体験セミナー2017」に取材に行って参りました。
当日ご講演してくださったのは、川崎幸病院循環器内科副部長の伊藤賀敏先生です。
さて、人口150万人の川崎市では、「突然死」で亡くなる方は年間何人いると思いますか?
50人? 100人?
なんと驚くことに、年間1200〜1300人もの方が突然死を迎えているのです!
これは川崎市が突出して多いというわけではありません。突然死は人口10万人あたり約80件発生するといわれています。それら突然死の多くは、心筋梗塞や大動脈破裂、くも膜下出血といった「心血管疾患」によるものだそう。
ある日道を歩いていたら急に人が倒れた!
そんなとき、あなたならどうしますか?
A:119番通報する
B:周囲に助けを求める
C:心臓マッサージをする
D:AEDを探す
正解は、この全てを行うことです!!
119番通報から救急車が到着するまでの約8分間の処置で、その方の予後は大きく変わるため、現場にいる人達ですぐに行動を起こす必要があります。
今回のセミナーでは、川崎幸病院の看護師さんやボランティアの方々の指導のもと、数名のグループに分かれて実際にAEDを使用した心肺蘇生法を体験しました。
多くの方が積極的に参加し、熱心に質問が飛び交う場面も。
AEDの中身を見たことはありますか?こんな機械が入っています。
【実践編】もし急に人が倒れたら!
1)まず周囲の安全を確認し、倒れている人に呼びかけて意識と呼吸の有無を確認する。
2)周囲の人に助けを求め、119番通報とAEDを持ってきてもらうよう依頼する。
3)呼吸がなければすぐに心臓マッサージを開始する。
※喘ぐような呼吸の場合は「死戦期呼吸」といい、すぐに心臓マッサージを。
4)AEDが到着したら、バックを開け電源を入れる。(音声ガイドが流れるので、その後は指示に従って行動する)
5)電極パッドを右胸の上と左脇腹に貼る。その間も心臓マッサージは続ける。
※心臓を挟むように貼るのがポイント。挟んでいれば多少の位置の違いは問題なし。
6)AEDが「電気ショックが必要」とアナウンスしたら、皆に離れるよう指示し電気ショックのボタンを押す。
7)電気ショックが完了したら、すぐに心臓マッサージを再開する。
心肺蘇生法は、ぜひ実際に講習会などで体験してみることをお勧めします。「昔、車の教習所で習った」という方もいらっしゃるかと思いますが、AEDの使い方や、今はあえて人工呼吸を推奨しないなど、新しく変わった点がいくつかあります。講習会は、かわさき健康塾以外でも消防署などで定期的に行われているようですので、興味のある方はお近くの講習会場を調べてみてはいかがでしょうか?
今回のかわさき健康塾・心肺蘇生体験セミナーでは、100名を超える方が実践的な心肺蘇生法を学んでいかれました。こんなに沢山の方がいると思うと心強い限りです。お疲れ様でございました!